2019年10月、見頃を迎えた紅葉を追いかけて、群馬・新潟方面へ1泊2日の旅に出かけました(苗場ドラゴンドラ→奥四万湖→榛名湖→水沢うどん→富岡製糸場)。
ロープウェイから見下ろす山肌は、赤・橙・黄が折り重なって、まるで絵の具を水で溶かしたみたい。帰り道、車の窓を少しだけ開けると、冷えた風が頬をなでて「秋が深いな」と思わせてくれました。
そんな旅の夜、私たち夫婦が譲れないのはひとつ。源泉かけ流しの湯に、好きなタイミングで浸かれること。できれば、部屋にお風呂が付いていると最高です。
そこで見つけたのが、四万温泉の時わすれの宿「佳元」。
全8室の小さな宿で、「料理旅館」を掲げているだけあって、夕食は本当に記憶に残りました。この記事では、当時宿泊した【欅】竹と石の半露天風呂付き客室の様子と、食事・温泉の体験を、写真の流れをできるだけ変えずにまとめます。
なお公式サイトを見ると、近年客室のリニューアルが進み、当時よりグレードアップしている点があります。この記事は2019年10月の体験をベースにしつつ、いま予約する人が迷わない「確認ポイント」も添えました。
この記事でわかること
・半露天風呂付き客室【欅】の雰囲気(10畳和室+広縁+ウッドデッキ)
・客室半露天(源泉かけ流し)の体感と、寒い日でも楽しめた理由
・夕食(当時)|料理人の技術とセンスが光る「料理旅館」の実力
・朝食(当時)|個室でいただく、丁寧な和食の満足感
・アクセス(車/電車+バス)・予約前に確認したいポイント
・リニューアルが進む今、見比べたいチェック項目
【欅】10畳和室|“静かに整う”オーソドックスな部屋

チェックインして玄関をくぐると、外の空気がふっと遠のく感じがしました。館内は大きすぎず、足音も響きすぎない。“旅のテンポ”が静かに落ちていくのがわかります。
今回選んだ部屋は、こちら。
【欅】竹と石の半露天風呂付き客室(2019年10月の体験)
部屋のつくりは、10畳和室/2畳ほどの広縁(縁側)/トイレ/洗面所/半露天風呂/シャワールーム(洗い場)/ウッドデッキという構成です。

畳の匂いがほんのりして、照明は強すぎない。派手さはないのに、落ち着く。旅先の部屋って「当たり外れ」を感じることがありますが、ここは入った瞬間に“当たりの静けさ”がありました。
寝る時は布団。湯上がりに畳へ腰を下ろして、ゆっくり呼吸を整える時間が似合う部屋でした。

洗面所は清潔感があり、備品も一通り揃っていました。水まわりが整っていると、旅先でも安心して力が抜けます。

ウッドデッキにはテーブルと椅子。夕方の冷たい空気を少しだけ吸い込むと、湯と食事への期待がじわっと立ち上がってきました。
源泉かけ流し|竹と石の「半露天風呂」は、落ち着く湯の居場所
さて、お楽しみの客室風呂は半露天タイプ。

浴槽は石造りで、脚を伸ばしてちょうど良いサイズ感。石のひんやりした気配と、湯の熱が同居していて、肩まで浸かった瞬間に「ああ…」と声が漏れました。
半露天なので屋根があり、寒い日や天候が悪い日でも体が冷えにくいのが助かります。外気が冷たいほど、湯の温かさが沁みます。

湯に浸かりながら外の景色も楽しめるので、露天の気分も十分。湯気の向こうの気配を眺めていると、旅の疲れが静かにほどけていきました。
温泉は源泉かけ流しで、泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉の案内でした(※当時)。効能の案内(胃腸病・神経痛・リウマチ・皮膚病・湿疹・婦人病など)も館内で見かけました。
旅兵衛コメント:石造りの半露天、落ち着きます。静かに湯へ沈める感じが最高でした。
夕食(2019年当時)|「料理旅館」の看板に、ちゃんと納得した夜
夕食は部屋または食事処でいただけますが、私たちは部屋食を選びました。
結論から言うと、夕食は本当に素晴らしかったです。味だけでなく、器、盛り付け、香りの立て方まで、ひと皿ごとに“意図”がある感じ。食べ進めるほどに、静かに感動が積み上がっていきました。

夕食メニュー

前菜(左から 菊菜と湯葉/焼椎茸の浸し/鮎の山椒煮/くるみ豆腐/妻恋産ひたし豆の煮豆/海老と占地茸の白和え)。どれも味付けが“強すぎない”のに、輪郭がはっきりしていて、箸が止まりません。

松茸と赤城鶏の土瓶蒸し。ふたを開けた瞬間、香りがすっと立ち上がって、思わず顔が近づく。出汁は澄んでいて、喉を通る温度まで心地よかったです。

銀光と菊花の膾(なます)。銀光(ぎんひかり)は群馬が生んだ高級ニジマス。くさみがなく、脂が程よく、口の中でふわっとほどけました。

岩魚の山かけ。岩魚は漬けにしてあり、山芋と合わせると味がきれいにまとまる。派手じゃないのに、しっかり印象に残る一品でした。

さわらの柚香焼き 秋の味覚の吹き寄せ。盛り付けだけで秋が伝わってくる。柚子の香りが鼻に抜けて、「和食っていいな」と素直に思いました。

昆布なべ式 上州牛と木の子のすき鍋。昆布を敷いた鍋で“すき鍋”は、はじめての体験でした。松茸、えのき、しめじなど旬のきのこがたっぷりで、湯気の香りだけで幸せになります。

上州牛はやわらかくて旨い。松茸もこのサイズでびっくり。長ねぎの甘さまで、ちゃんと主役でした。
旅兵衛コメント:上州牛のおいしさにびっくり。松茸も野菜も、素材の良さがちゃんと伝わってきました。

奄美もずくの天ぷら 南瓜。女将が奄美大島の出身という話を聞き、奄美産のもずくが登場。軽い衣の食感が心地よく、箸休めのようでいて、しっかり記憶に残りました。

舞茸の炊き込みご飯 いくら、みつ葉。贅沢なのに、どこかやさしい。湯上がりの体に“ちょうどいい満足”がきれいに入ってきました。

炊き込みご飯、赤出汁、香物

デザート 旬栗の白ワインゼリーがけ。甘さが上品で、食後の余韻をすっと整えてくれました。
旅兵衛コメント:味・器・盛り付け・香りの立て方まで、“料理旅館”の看板に納得の夜でした。食事の満足度を最優先にしたい人に刺さる宿だと思います。
なお部屋食の場合、出来立てで運ばれてくるぶん、提供のテンポはゆっくりめになりやすい印象でした。スムーズに食事を進めたい方は「個室の食事処」を選ぶのもおすすめです(※当時の体験)。
朝食(2019年当時)|個室でいただく、丁寧な和食
朝食は個室のお食事処でいただきました(※2019年当時)。
湯上がりの朝、静かな個室で“ちゃんとした和食”が並ぶと、それだけで背筋が整う感じがします。

品数も多く、栄養バランスもよく、盛り付けも器もきれい。派手な驚きではなく、「ああ、丁寧だな」という安心の美味しさでした。
宿泊した感想・おすすめポイント|「湯」と「食」で、旅の芯が整う
時わすれの宿「佳元」に宿泊した感想をひと言でいうと、「大満足」でした。
おすすめポイント(2019年体験ベース)
・全8室の小さな宿で、静かに過ごしやすい
・【欅】はオーソドックスな和室で、落ち着く“部屋の余白”がある
・客室の半露天は源泉かけ流しで、好きなタイミングで湯に浸かれる
・夕食は「料理旅館」を名乗るだけあり、味・器・盛り付けまで一貫して高い満足度
・朝食も個室で、丁寧な和食が気持ちよく入る
※本記事は2019年10月の体験です。現在の客室・サービスは変更の可能性があります。
旅兵衛コメント:群馬方面で、源泉かけ流しの湯にゆっくり浸かって、料理でしっかり感動したいなら「佳元」。旅の目的が“宿”になるタイプです。
いま予約するなら|客室リニューアルの進み具合は要チェック
公式サイトでは、客室リニューアルに関する案内が出ています。宿泊当時の写真と、現在の客室写真(公式・予約サイト)を見比べると、印象が変わっている可能性があります。
予約前にチェックしたい3点
・部屋:半露天(露天)の仕様(湯温調整/眺望/浴槽サイズ)・デッキの有無・寝具(ベッドor布団)
・食事:夕食の提供スタイル(部屋食/個室食事処)と所要時間の目安、アレルギー対応
・設備:リニューアル内容(写真の更新日)、ラウンジや館内サービスの範囲
▼時わすれの宿「佳元」をまとめて探す(空き状況・料金の比較はこちら)
基本情報
- 名称:時わすれの宿 佳元
- 住所:〒377-0601 群馬県吾妻郡中之条町大字四万4344-2
- 電話番号:0279-64-2314
- 駐車場:あり
- 客室数:全8室
- 公式サイト:時わすれの宿 佳元
アクセス
車:関越道「渋川伊香保IC」→国道353号で中之条町から四万方面へ(所要は道路状況で変動)。
電車+バス:(例)上越新幹線で高崎→JR吾妻線で中之条→路線バスで四万温泉方面。バス停からは徒歩圏の案内があります。最新の時刻・所要は、乗換案内と公式情報でご確認ください。
※下車バス停の名称は「四万温泉」周辺(例:四万温泉バス停/温泉口周辺)と案内されることが多いので、予約前に“どの停留所で降りる想定か”まで確認しておくと当日の移動がラクです。
よくある質問(FAQ)
宿泊前に気になりやすいポイントを、Q&A形式でまとめました。
※本記事は2019年10月の体験です。客室の改装・サービス内容は変更される可能性があるため、予約前は公式サイト・予約サイトの最新案内をご確認ください。
Q1. 佳元は、どんな人に向く宿?
A. 「にぎやかさより、静けさで整えたい」「温泉は好きなタイミングで入りたい」「夕食で“ちゃんと感動”したい」方に向く宿です。全8室の規模感で、館内の空気が落ち着いていて、湯と食事を主役にしやすい滞在でした。
Q2. 客室の半露天風呂は源泉かけ流し?
A. 当時は源泉かけ流しの案内でした。湯温の調整方法(加水・加温の有無)、清掃時間、湯量の設定は客室やプランで異なる場合があります。気になる方は、予約前に「客室の湯の仕様」を公式案内で確認するのが安心です。
Q3. 半露天って、寒い日でも楽しめる?
A. 半露天は屋根があるぶん、露天より冷えにくい印象でした。外気が冷たい日ほど、湯との温度差が心地よく感じられます。とはいえ体感は個人差があるので、冷えやすい方は羽織りものや湯上がりの防寒を用意しておくと安心です。
Q4. 夕食は「部屋食」と「食事処」、どちらがおすすめ?
A. ゆっくり自分たちのペースで味わいたいなら部屋食、提供テンポをスムーズにしたいなら個室の食事処がおすすめです。部屋食は出来立てで届くぶん、品数が多い日は時間が長めになりやすい印象でした。
Q5. 夕食はどんな内容?“料理旅館”っぽさはある?
A. 2019年当時は、旬の香り(松茸の土瓶蒸しなど)や、地元食材(上州牛・銀光など)が自然に織り込まれた内容でした。味だけでなく、器や盛り付け、温度感まで含めて「料理を楽しむ宿」という印象が強かったです。現在の献立は季節・プランで変わるため、予約時はプラン説明や写真を確認するのがおすすめです。
Q6. 朝食はどんな感じ?
A. 当時は個室で和朝食でした。品数が多く、朝から体が整うような“丁寧さ”がありました。現在の提供形態(個室/会場、内容)は変更の可能性があるため、予約プランの案内でご確認ください。
Q7. 客室のリニューアルが進んでいるみたい。古い宿泊記でも参考になる?
A. 体験の「空気感(静けさ・湯の過ごし方・食事の印象)」は参考になりますが、部屋の設備や内装は変わっている可能性があります。予約前は①客室写真の更新日 ②寝具(ベッドor布団) ③半露天(露天)の仕様(眺望・浴槽サイズ・湯温調整) ④食事の提供場所(部屋食/個室)を見比べると“イメージ違い”が起きにくくなります。
Q8. どの季節がおすすめ?紅葉は狙い目?
A. 秋は空気が澄んで、湯上がりの外気がいちばん気持ちいい季節。紅葉の観光(苗場ドラゴンドラ/奥四万湖/榛名湖)と組み合わせると、旅の満足度が上がりやすいと思います。混みやすい日は早めの予約・早めの到着を意識すると安心です。
Q9. 車で行く場合、どのICが使いやすい?
A. 東京方面からは関越道「渋川伊香保IC」が目安になります。四万温泉エリアは道がゆるく続く区間があるので、到着前後は時間に余裕を持つとラクです(所要は渋滞・天候で変動します)。
Q10. バスで行く場合の注意点は?
A. 「中之条駅→四万温泉方面」の路線バス利用が基本になります。便数や最終便は季節で変わることがあるため、行き帰りとも時刻表の事前確認がおすすめです。到着後の歩きが不安な方は、荷物量や足元(雨天・凍結)も含めて計画すると安心です。
まとめ|四万温泉で「料理に感動する夜」を探しているなら
時わすれの宿「佳元」は、全8室の静けさの中で、源泉かけ流しの湯に浸かり、そして何より“料理で感動する夜”を味わえる宿でした。
紅葉をたっぷり見て歩いた一日が、湯でほどけていく。部屋に戻って、出来立ての香りが立つ夕食をゆっくり味わう。食後にもう一度湯へ――そんな流れが、すっと似合います。
なお本記事は2019年10月の体験です。客室リニューアルなど変更点がある可能性があるため、予約前は必ず公式・予約サイトで最新情報をご確認ください。
免責事項:本記事は宿泊当時の体験・作成時点の情報をもとに作成しています。料金、プラン、食事内容、営業時間、交通規制、運行、駐車場運用などは変更される場合があります。お出かけ前に、必ず公式サイト・予約サイト・現地の最新情報をご確認ください。なお本記事の情報を利用したことにより生じた損害・トラブル等について、当サイトは一切の責任を負いかねます。
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旅兵衛コメント:“余計なものがない”のに、必要なものはちゃんとある。オーソドックスな和室だからこそ、温泉と食事の良さが際立ちました。