「素晴らしい温泉だったね」「あの紅葉、最高だった!」
そんな最高の気分で帰路についたものの、高速道路に乗った瞬間に目の前に広がる真っ赤なテールランプの列。ストップ&ゴーを3時間繰り返し、自宅に着く頃には夫婦ともども無言でぐったり……。車旅をしたことがある方なら、誰もが一度は経験する「帰り道の大渋滞(Uターンラッシュ)」です。
私自身、普段はタクシードライバーとして平日休みが多いため渋滞とは無縁の旅をしていますが、妻の都合に合わせて週末に出かける際や、桜・紅葉のピークシーズンには、この「地獄の帰り道」に直面します。
あと15回しかないと決めている極上の車旅。その貴重な思い出の最後を、渋滞のイライラと疲労で台無しにしたくはありません。
今回は、プロドライバーが実践している「帰り道渋滞を無傷でやり過ごすための、3つの撤退戦略」を公開します。
【この記事の結論まとめ】
- 最大の敵:休日の「15時〜19時」の高速道路は「走る駐車場」。この時間帯に高速に乗ること自体がリスク。
- プロの撤退戦①(早逃げ):13時台に高速に乗り、明るいうちに帰宅する。
- プロの撤退戦②(遅逃げ):現地で夕食と日帰り温泉を済ませ、20時以降にスイスイ帰る。
- 休憩の鉄則:混雑する巨大SA(サービスエリア)は避け、小さなPA(パーキングエリア)を愛用する。
魔の時間帯「15時〜19時」に高速道路へ乗ってはいけない

休日の東名高速や中央道、関越道などで、大渋滞が最も激しくなるのは「15時〜19時」です。
なぜなら、ほとんどの旅行者が「10時に宿をチェックアウト」→「観光地を1ヶ所巡る」→「現地で昼食を食べる」→「お土産を買って15時頃に高速に乗る」という、まったく同じ行動パターンをとるからです。
50代・60代の体にとって、この魔の時間帯に渋滞のど真ん中に突っ込むことは、肉体的にも精神的にも致命傷になります。プロはこの時間帯、絶対に高速道路の「本線」にはいません。以下にご紹介する2つの「極端な撤退戦」のどちらかを選択します。
【撤退戦①】午前中決着の「早逃げ」スタイル
翌日にお仕事が控えている場合や、家でゆっくり休みたい場合に私が最も推奨するのが、この「早逃げ」です。
- 行動パターン:宿をチェックアウトしたら、観光や買い物は「1ヶ所」に絞ります。昼食は11時台の早めに済ませるか、テイクアウトして車内で軽く食べ、渋滞が始まる前の「13時台(遅くとも14時)」には高速道路に乗ってしまいます。
- メリット:まだ外が明るい16時〜17時頃には自宅に到着できます。荷ほどきをし、近所のスーパーで買ってきたお惣菜などで、夫婦でゆっくりと「今回の旅行、楽しかったね」と語り合いながら夕食をとる。疲労の蓄積が最も少ない、大人の最適解です。
【撤退戦②】完全居残りの「遅逃げ」スタイル
「せっかく遠くまで来たのだから、ギリギリまで満喫したい」。そんな時は、中途半端な時間に帰るのをやめ、現地に「居残り」します。
- 行動パターン:夕方までがっつり観光した後、そのまま現地で「夕食」まで済ませてしまいます。さらに、現地の「日帰り温泉」に立ち寄り、お風呂まで済ませてリフレッシュします。渋滞が完全に解消し始める「20時以降」に、ゆっくりと高速道路に乗ります。
- メリット:大渋滞だった道が嘘のように空いており、マイペースにクルージングできます。帰宅後はすぐにお風呂に入らず、ベッドに直行して眠れるのも大きなメリットです。(※夜間走行が苦にならない、運転に慣れた方向けの戦術です)
プロの鉄則:巨大SAの誘惑を断ち切り、小さなPAを愛せ

帰り道の「休憩場所」の選び方でも、素人とプロでは大きな違いが出ます。
一般のドライバーは、海老名SA(東名)や談合坂SA(中央道)などの「大型サービスエリア」に寄りたがります。しかし、休日の夕方の大型SAは、駐車場に入るだけで20分待ち、トイレや飲み物を買うのにも大行列という、まさに「第2の渋滞ポイント」です。
プロドライバーは、こうした大型SAを華麗にスルーし、トイレと自動販売機しかないような「小さなPA(パーキングエリア)」を愛用します。
小さなPAであれば、本線からスッと駐車場に入り、トイレを済ませて大きく伸び(ストレッチ)をし、すぐに本線へ戻ることができます。タイムロスと疲労を最小限に抑えるための、非常に重要なテクニックです。
【よくある質問】プロが答える帰り道渋滞のQ&A
Q. 渋滞を避けるために下道(一般道)に降りた方が早いのでしょうか?
A. 高速道路が「完全に通行止め」になっていない限り、原則として高速道路上に留まることをおすすめします。高速が渋滞している時は、並行する下道(国道など)も逃げてきた車で大渋滞しており、信号がある分、余計に時間がかかることがほとんどです。プロは迂闊に下道に降りず、一番左の車線を一定のペースで進むか、手前のPAで仮眠をとって時間を潰します。
Q. 運転を交代しながら帰る場合のコツはありますか?
A. 渋滞にハマってイライラしてから交代するのではなく、「渋滞が始まる前のPA」で事前に交代しておくのがコツです。渋滞中のストップ&ゴーは非常に疲れるため、運転支援システム(ACCなど)が付いている場合はフル活用し、お互いに「1時間ごとに小さなPAで交代する」など短いスパンで負担を分け合うと、疲労を軽減できます。
まとめ:自宅の駐車場に停めるまでが「大人の車旅」
旅の終わり際、渋滞の車内で夫婦の会話が途絶え、ただひたすら前の車のブレーキランプを見つめる時間は、本当に苦痛です。
帰り道の時間を「早逃げ」するか「遅逃げ」するか。そして休憩は「小さなPA」で済ませる。この撤退のルールを夫婦で事前に決めておくだけで、帰り道のイライラは劇的に解消されます。
「行き」の渋滞回避ルートだけでなく、「帰り」の撤退戦までデザインする。それこそが、残された15回の車旅を完璧な思い出にするための「プロの設計図」です。次回の旅行では、ぜひこの撤退戦を試してみてください。奥様の笑顔のまま、自宅の駐車場に車を停められるはずです。
免責事項・注意事項
本記事の混雑状況やインバウンドの傾向等は、執筆時点での筆者の経験に基づく目安です。実際の状況は天候や曜日により変動しますので、事前の情報収集を行った上で安全な車旅をお楽しみください。万が一の渋滞やトラブル等につきまして、当サイトは一切の責任を負いかねます。
※当ブログはアフィリエイトプログラムを利用していますが、紹介する宿やサービスはすべてプロドライバーとしての厳しい基準で忖度なく厳選したものです。ご予約の際は、ご自身でも各予約サイト等で最新情報をご確認ください。


