長野・諏訪湖を囲む「諏訪大社」は、上社(前宮・本宮)と下社(春宮・秋宮)の4社で一体。
歴史や信仰に触れつつ、限られた時間で“見逃せない場所だけ”を押さえたい方向けに、各社のハイライトを厳選してご紹介します。
車での移動なら半日〜1日で四社参りが可能。上社は同エリア内、下社は同エリア内で徒歩移動もしやすく、上社⇄下社間は車移動が快適です。
混雑時は午前に上社、午後に下社の配分が回りやすい印象です。
【諏訪大社】おさえておきたい豆知識
【諏訪大社】は4つの神社からなる
【諏訪大社】は長野県の中央部「諏訪湖」をはさんで、南北に4つの「神社」があります。

諏訪湖の南側には「上社本宮(かみしゃほんみや」、「上社前宮(かみしゃまえみや)」の2社。
北側には「下社春宮(しもしゃはるみや」と「下社秋宮(しもしゃあきみや )」の2社があります。
- 上社「本宮(ほんみや)」と「前宮(まえみや)」は近くに
- 下社「春宮(はるみや)」と「秋宮(あきみや)」は近くに
- 上社と下社は離れている
「本宮(ほんみや)」、から「前宮(まえみや)」、「春宮(はるみや)」から「秋宮(あきみや )」は歩いて行ける距離ですが、上社と下社の距離は約10kmあるため歩いて行くのはとっても大変です。
- 4社の社格は同じ
- どの神社から参拝しても良い
複数の神社がある場合、気になるのが参拝する順番。
【諏訪大社】4社については、どの神社の社格が上ということはなく同じということになっていて、どの神社から参拝しても良いとされています。
上社 前宮(かみしゃ まえみや)の見どころ 一番のパワースポット!?
・諏訪大社の発祥地と伝わる“最古の社”とされる場所の空気感。
・四社で唯一「本殿」がある(他の三社は本殿を持たない独特の神体信仰)。
・本殿四隅の「御柱」を間近で確認できる貴重な体験。
・清流・古代祭祀遺構が残る素朴な境内で、静かな参拝時間を過ごせる。
・社域に塀が少なく、自然と一体化した“原始の神域”の趣。
【撮影ポイント】本殿と御柱、参道の高低差から望む社域の抜け感。
【滞在目安】20〜30分

歴史を感じさせる「諏訪大社上社前宮」の石碑の横を通り、右手に見える階段を上った先に神社入口の鳥居があります。

鳥居をくぐり階段を上った先、約100m先に「本殿」があります。
階段を上って直ぐに「本殿」は見えないので不安になりますが、そのまままっすぐ進むと「本殿」が見えてきます。
普通、神社というと鳥居があって境内は塀に囲まれていてるのが一般的ですが、「前宮」には境内の境界となる塀がありません。
「本殿」は小高い丘の上にポツンとあります。

きらびやかに飾られているわけではなく、質素なたたずまいの「本殿」。
【諏訪大社】4社の中で、唯一「本殿」があるのは「前宮」だけ。

「前宮」が一番の「パワースポット」と感じてしまいましたが、その理由は上の写真の案内に書かれている内容から。
「本宮」より前にあるという意味で「前宮」と呼ばれていること。
御祭神である「建御名方命」(たけみなかたのみこと)「八坂刀売神」(やさかとめのみこと)がこの奥に眠っていると信じられていること。

神様の力を感じさせてくれる場所です。
「本殿」の四隅には4本の「御柱」があり、【諏訪大社】4社の中で4本の御柱が間近で見れるのは「前宮」だけです。




上社 本宮(かみしゃ ほんみや)の見どころ 一之御柱は圧巻!
・諏訪大社の中心的存在。鳥居〜幣拝殿へ続く参道の重厚感。
・「一之御柱」は上社8本の中でも屈指の太さで圧巻の存在感。
・手水舎そばの「明神湯」は神事と所縁が伝わる名所。
・幣拝殿まわりの社殿配置と起伏がつくる荘厳な景観。
・門前エリアに飲食・土産店が充実しており小休止にも最適。
【撮影ポイント】鳥居〜参道、幣拝殿前、明神湯周辺の石造景。
【滞在目安】30〜40分

鳥居をくぐり境内に入ると左手に「手水舎」と「明神湯」があり、右側に進むと「社務所」があります。


手水舎の横に「明神湯」があり、御祭神である 「建御名方神(たけみなかたのかみ)」のその妃「八坂刀売神(やさかとめのかみ)」 が使ったお湯とされています。

「幣拝殿」に向かう階段の左側に見える大きな柱が「本宮一之御柱」。

「上社本宮」、「上社前宮」にある8本の「御柱」の中で一番太い「御柱」が「本宮一之御柱」。
実際に見るとその大きさに圧倒されます。
「上社本宮」の「一之御柱」以外の残りの御柱ですが、「二之御柱」は手水舎を左手に曲がった先にあります。
「三之御柱」「四之御柱」はじっくり探してみないと見つからないようです。

階段を上った先、左手に進むと「幣拝殿」があり、こちらでお参りをします。

「本宮」周辺は4社の中で、神社周辺に一番「お土産物屋」さんや軽食ができる「飲食店」があるのがポイント。お土産を買ったり休憩したりするのにおすすめ。
下社 秋宮(しもしゃ あきみや)の見どころ 最大級の大しめ縄に注目
・正面の「神楽殿」は国指定重要文化財。
・神楽殿の“出雲大社型”大しめ縄は長さ約13m・重さ約500kgとされ、日本最大級の迫力。
・青銅製の巨大な狛犬(神楽殿前)はスケール感が抜群。
・奥の「幣拝殿」および両脇の「左右片拝殿」も重要文化財。造形美を間近で鑑賞できる。
・「一之御柱」「二之御柱」を近接で見やすい配置。
【撮影ポイント】神楽殿の大しめ縄と狛犬、幣拝殿の構え。
【滞在目安】30〜40分

鳥居をくぐり階段を上って行くと右側に「社務所」があります。

階段を上がると正面に見えてくるのがこちらの「神楽殿」。

「秋宮」の「神楽殿」は1835年に建てられ、国の重要文化財に指定されています。
また、ひときわ目につくのがこの大しめ縄。

この形どこかで見たような方も多いいと思いますが、出雲大社のしめ縄と同じ形をしています。
大きさは長さ13メートル、重さは約500㎏あり、出雲大社型の大しめ縄としては日本最大級とされています。
「神楽殿」の前に鎮座しているのは大きな「狛犬」。

こちらの「狛犬」は青銅製としては日本最大の大きさといわれています。
「神楽殿」の奥に見えてくるのが「幣拝殿」でこちらでお参りをします。

「秋宮」の「幣拝殿」は国の重要文化財になっています。

「幣拝殿」の左右にあるのが「片拝殿」といい、こちらも国の重要文化財になっています。


【諏訪大社】は「前宮」以外の3社は「本殿」と呼ばれる建物がありません。
「秋宮」も「本殿」がないため、その代わりに「一位の木」をご神木として祀っています。
「秋宮」では「一之御柱」と「二之御柱」の2本を間近で見ることができます。


下社 秋宮(しもしゃ あきみや)見どころ 幣拝殿に施された見事な彫刻
・「幣拝殿」「左右片拝殿」は秋宮と同系意匠で重要文化財。静謐な社域に上質な彫刻が映える。
・幣拝殿上部の彫刻群は見応えあり。社殿の細部意匠を丁寧にチェック。
・御神木(杉)に神が宿るとされる信仰形態を今に伝える。
・「一之御柱」「二之御柱」を近くで確認可能。
・周辺の寄り道スポットとして「万治の石仏」も人気(徒歩圏の分岐あり)。
【撮影ポイント】幣拝殿の彫刻、参道正面の神楽殿。
【滞在目安】20〜30分

下社春宮の鳥居をくぐると右側に社務所があります。

正面には「神楽殿」があります。
「神楽殿」の裏にある、「幣拝殿」「左右方拝殿」は「秋宮」とほぼ同じ造りで、同じく国の重要文化財になっています。
「春宮」の見どころは「幣拝殿」の上部に施された見事な彫刻。

また、「春宮」も「本殿」がないため、御神木である「杉の木」に神様が宿るとされています。
幣拝殿(へいはいでん)と呼ばれる社殿の奥に御神木が立つため、参拝はこちらで行うのが一般的のようです。
「春宮」では、御柱は「一之御柱」と「ニ之御柱」の2本を間近で見ることができます。


よくある質問(FAQ)
Q. 四社参りの順番は決まっていますか?
A. 社格は同等とされ、順番の定めはありません。上社同士・下社同士は近いので、移動効率だけ考えれば「上社(前宮→本宮)→下社(春宮→秋宮)」の流れがスムーズです。
Q. すべて回る所要時間はどのくらい?
A. 車移動で参拝中心なら合計2.0〜2.5時間が目安。撮影や御朱印、休憩を含め半日〜1日と見ておくとゆとりがあります。
Q. 御柱はどこで間近に見られますか?
A. 前宮は本殿四隅の御柱を近接で見やすいのが特徴。秋宮・春宮は「一之御柱」「二之御柱」を参拝動線上で確認しやすいです。本宮は「一之御柱」が特に迫力があります。
Q. 御朱印はどこでいただけますか?
A. 各社の授与所にて頒布があります(時期・時間は変動)。混雑や行事時は対応が変わることがあるため、参拝当日の受付時間と頒布可否は現地で必ずご確認ください。
Q. 駐車場と移動のコツは?
A. 各社に参拝者用の駐車場があります。休日は本宮・秋宮から埋まる傾向があるため、午前に上社、午後に下社へ回すとスムーズ。冬期は路面凍結に注意し、余裕ある時間配分を。
まとめ
諏訪大社の四社は、それぞれに“違う顔”の見どころを持っています。発祥の空気を感じる前宮、中心性と動線の良さが際立つ本宮、ダイナミックな神楽殿の秋宮、彫刻の美が光る春宮。見どころを絞って回れば、半日でも満足度の高い四社参りができます。写真派は御柱・幣拝殿・神楽殿の3カ所を必ず押さえ、参拝派は授与所の受付時間に合わせた巡り順を。湖畔の温泉と組み合わせれば、心身ともに満たされる大人旅になります。
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