雪深い飛騨の山里にたたずむ【白川郷】。
合掌造りの屋根に雪がこんもりと積もり、白銀の世界に浮かび上がるその姿は、まるで昔話の一場面に迷い込んだかのようです。
春や秋も人気の観光地ですが、白川郷が最も白川郷らしく映えるのは、やはり冬の雪景色。
昼間は真っ白な集落を歩き、展望台からは雪原に点在する合掌造りを一望。夜には静かな雪灯りに包まれ、幻想的な雰囲気に心奪われます。
ただし冬の白川郷は豪雪地帯。アクセス方法や服装、防寒・雪道対策など、事前準備が欠かせません。
この記事では、冬に訪れる白川郷の魅力と観光のポイント、撮影スポット、モデルコースや宿泊の工夫まで詳しくご紹介します。

春夏秋冬すべてが魅力的な白川郷ですが、やっぱり一番のおすすめは“冬”。雪景色の合掌造りは、一度は体験してほしい絶景です!
雪景色の“ねらい目”時期と時間帯
- 時期:例年は12月下旬〜2月にかけて積雪が安定(年により前後)。降雪直後〜晴れの翌朝は“ふかふか”の表情が狙い目。
- 時間帯:10:00〜14:30は集落内の雪面に光が回りやすく、立体感が出る。午前の薄曇りは反射が抑えられて色が締まる。
- 平日:観光客が少なめなので、写真派は快適。
免責: 積雪・通行・駐車場の運用は天候で変わります。訪問前に必ず公式の最新情報をご確認ください。
王道の回り方(半日~日帰り)

- 荻町城跡展望台(城山展望台/所要30分)
雪化粧した合掌造り集落を一望できる唯一無二の絶景スポット。屋根雪の段々が重なり、白と茶色のコントラストが美しい。午前は逆光気味になることが多いため、午後~14時頃までが撮影のベストタイム。
※ただし、冬期はシャトルバス運休や徒歩ルート閉鎖の可能性あり。必ず出発前に白川郷観光協会の公式HPで運行情報を確認してください。 - 三大合掌の内部見学(和田家/神田家/長瀬家、いずれか30〜40分)
屋内の囲炉裏で上がる煙や、窓から見える雪景色は冬ならでは。外観だけでなく内部も見学すれば、雪国の暮らしを体感できます。 - 集落散策・昼食休憩(60〜90分)
主通りや用水路沿いを歩きながら、雪帽子をかぶった祠やつららの下がる家々を撮影。昼食は温かい郷土料理(飛騨牛朴葉味噌、山菜そば、煮込み料理など)で身体を温めましょう。 - 合掌造り民家園(所要60〜90分)※展望台に行けない場合の代替
展望台が閉鎖されている年でも、民家園なら広々とした雪景観をじっくり楽しめます。かまくら、雪囲い、水路の流れといった“冬ならではの情景”が点在し、撮影にもおすすめ。 - 温泉で締め(白川郷の湯/平瀬温泉)
雪景色を堪能した後は、温泉で冷えた身体を癒やしてから帰路へ。雪見露天は冬旅のご褒美。
撮影スポット&コツ(スマホ/一眼共通)
荻町城跡展望台の俯瞰写真
雪の屋根が階段状に並ぶ冬景色は、白川郷を象徴するカット。
・午前は逆光気味、午後は屋根面に光が当たりやすく立体感が出やすい。
・広角レンズで村全体を収めるのがポイント。
用水路のリフレクション(映り込み)
集落を流れる水路や田の跡に映る合掌造りは冬の隠れ名所。
・風が弱い曇りの日は水面が落ち着き、逆さ集落が狙える。
・低いアングルでカメラを近づけると迫力アップ。
合掌造りのクローズアップ
茅葺きの屋根に積もる雪や、軒先のつららを切り取ると冬らしい雰囲気に。
・露出補正は+0.3〜+0.7EV程度で雪の白飛びを抑えながら明るめに。
・スマホなら「HDRモード」をONにすると白と影の階調が出やすい。
民家園の広がりを背景に
広場越しに合掌造りを撮ると、人影が入りにくく静けさを表現できる。
・雪の足跡が少ない午前中がベスト。
・一脚やスマホスタビライザーを使うと、雪道でもブレを防げる。
夜明け前後や雪の降る瞬間
雪が舞う瞬間や朝の柔らかい光は特別感あり。
・雪の粒を写したい場合はシャッタースピード1/250前後で止めるとくっきり。
・スマホは「連写」や「ライブフォト」で雪の流れを拾いやすい。
モデルコース例(1泊2日/雪見温泉つき)

1日目
- 10:00頃 白川郷到着
駐車場に車を停め、観光案内所で最新の通行状況や見学可能施設をチェック。 - 10:30〜12:00 荻町城跡展望台
シャトルバスまたは徒歩で展望台へ。雪化粧した集落全体を俯瞰する絶景を撮影。
※冬期はシャトル運休やルート閉鎖の可能性があるため、事前に要確認。 - 12:00〜13:00 昼食(集落内)
飛騨牛朴葉味噌定食、山菜そば、煮込み料理など、身体を温める郷土料理がおすすめ。 - 13:00〜15:00 三大合掌の内部見学(和田家・神田家・長瀬家)
囲炉裏の煙、梁組み、窓からの雪景色は冬ならではの雰囲気。 - 15:00〜16:00 集落散策
用水路沿いの雪景色、つらら、雪帽子の石仏をのんびり歩きながら写真撮影。 - 16:00 平瀬温泉へ移動(車で約15分)
雪見露天風呂に入り、地元食材を使った夕食を楽しみながら宿泊。
2日目
- 9:00 チェックアウト → 白川郷へ再訪(希望者)
朝の清々しい空気の中、再び集落を散策するのもおすすめ。人影が少なく写真も撮りやすい。 - 10:30 周辺の寄り道
・「道の駅 白川郷」で雪国土産を購入
・車でアクセスできる展望スポットや里山エリアへ(道路状況に注意) - 12:00 高山へ移動(約1時間)
古い町並みを散策し、飛騨牛寿司やみたらし団子など食べ歩き。 - 15:00 帰路へ
移動距離・所要時間の目安
- 1日目移動距離:約20km(白川郷内+平瀬温泉移動)
- 2日目移動距離:平瀬温泉〜高山間 約50km
- 合計走行距離:およそ70km前後
- 観光時間の目安:白川郷内 約5時間/2日間合計で観光+移動 約12〜13時間
- 行程は午前に展望台 → 午後は集落歩きと分けるのが効率的。
- 冬期は日没が早く、16時以降は急激に冷え込むため、観光は15時頃までが目安。
- 温泉宿泊を組み合わせると、雪道ドライブの疲れを癒やせるうえ、翌朝に再度白川郷へ寄る余裕も生まれる。

展望台と集落歩きで“白川郷らしい雪景色”を満喫し、宿では雪見露天で心身をリセット。2日目は高山の町並みでグルメ散策…これが大人の雪見車旅の王道コースです。
宿泊おすすめ3選(平瀬温泉エリア)
- 白川郷の湯
集落に最も近い温泉宿。日帰り入浴も可能。雪見露天から合掌造りの景観を間近に感じられる。 - 御宿 結の庄(ゆいのしょう)
飛騨の食材を使った会席料理と、広い露天風呂が評判。バスツアーにも利用される人気宿。 - 大白川温泉 しらみずの湯(立ち寄り湯)+近隣旅館
雪深い山間にある秘湯感のある温泉。雪見の静寂を楽しみたい方におすすめ。
雪に包まれた白川郷を訪れるなら、やはり一泊してこそ本当の魅力を味わえます。
昼間の合掌造りの景色に加え、夜には静かな雪灯りが広がり、朝は一面の銀世界が迎えてくれる――。そんな特別な体験は日帰りでは味わえません。
白川郷周辺には、囲炉裏を囲む合掌造りの民宿から、雪見露天風呂を楽しめる温泉宿まで、冬旅にぴったりの宿泊先が揃っています。
服装・装備(冬の屋外+雪道前提)
上半身
・インナー:吸湿速乾タイプ(ヒートテック等は汗冷え防止のため厚手すぎないものを)
・中間着:フリースや薄手ダウンで保温
・アウター:防風・防水性のある厚手ダウンやスキー用ジャケットがおすすめ
→「雪の上を歩く=冷える+濡れる」を前提に、重ね着3層構造が安心
下半身
・裏起毛の防寒パンツ+タイツで保温
・積雪の深い場所を歩くなら、透湿性のあるレインパンツやスノーパンツを重ね履きすると安心
→ジーンズは雪で濡れると乾かず体温を奪うので不向き
足元
・必須:防寒防水ブーツ(ミドルカット以上、ソールは凍結対応)
・滑り止め:簡易アイゼン、チェーンスパイク、雪道用アタッチメントなど
→観光客の転倒事故はほぼ「スニーカー」で発生。雪道初心者は特に滑り止め必須
小物類
・防寒手袋:スマホ操作可能タイプが便利
・帽子:耳まで覆えるニット帽や耳あて付きキャップ
・首元:マフラーやネックゲイター(風雪で体感温度が一気に下がるため必須)
・カイロ:ポケット用+靴用インソールタイプがあると快適
・ライト:集落内は街灯が少なく夕方は暗い。小型懐中電灯やヘッドライトがあると安全
カメラ・スマホ関連
・予備バッテリー(寒冷地では消耗が早い)
・ジップロックや防水ケースで雪や結露から守る
・レンズクロスを常備

服はなんとかなっても、足元で失敗する人が多いです。防寒ブーツ+滑り止めを用意すれば、雪道散策も安心。スキー場に行く装備をイメージして準備すれば間違いありませんよ。
白川郷アクセス・駐車場
所在地:岐阜県大野郡白川村
【車】の場合
- 東海北陸自動車道「白川郷IC」下車
- 国道156号線経由:約5分で集落へ
駐車場は「村営せせらぎ公園駐車場」がメインですが、工事に伴い普通車が停められない期間があります。
【重要:臨時駐車場の案内】
「村営せせらぎ公園駐車場」は以下の期間、普通車が利用できません。
・2025年6月2日~2026年9月30日
・この期間は「みだしま公園臨時駐車場」または「寺尾臨時駐車場」を利用。
みだしま公園臨時駐車場
- 収容台数:普通車 約120台(二輪車可)
- 営業時間:〜17:00
- 料金:普通車 1,000円/二輪車 200円
- 特徴:小規模だが集落に近い。早めの到着がおすすめ。
寺尾臨時駐車場
- 収容台数:普通車 約420台
- 営業時間:〜17:00
- 料金:普通車 1,000円
- 特徴:駐車台数が多く、混雑時も安心。ただし観光バス集中時は満車の可能性あり。
冬の必須装備:スタッドレスタイヤは絶対条件。できれば四輪駆動車が安心。チェーンも携行を推奨。
走行注意点:
・橋の上・トンネル出口・日陰のカーブは特に凍結しやすい。
・降雪直後は道路幅が狭く、除雪車が優先通行することもある。
・夜間は視界が悪くなるため、早めの到着・早めの出発を意識した行程を。

冬の白川郷はアクセス自体が“雪国ドライブ体験”です。運転に自信がない方は無理をせず、公共交通やツアー利用をおすすめします。
【電車・バス】の場合
出発地 | 所要時間 | 運行本数(冬期目安) |
---|---|---|
名古屋駅 | 約2時間30分 | 1〜2本/日 |
金沢駅 | 約1時間20分 | 3〜4本/日 |
富山駅 | 約1時間20分 | 2〜3本/日 |
高山駅 | 約50分 | 5〜6本/日 |
- 白川郷には鉄道駅がないため、高速バス利用が基本です。
- 白川郷バスターミナル下車。集落までは徒歩すぐです。
- 冬季は運休や減便もあるため、必ず事前予約&最新時刻表を確認。
車とバス、どちらを選ぶ?
- 車派:雪道運転に慣れていて、複数の観光地を組み合わせたい人向け。時間の自由度が高い。
- 公共交通派:雪道に不安がある人、シニア層、家族連れに安心。運転ストレスなしで観光に集中できる。
よくある質問(FAQ)
Q1. どれくらい雪が積もっている時期に行くべき?
A. 例年は1月〜2月が最も積雪が安定。屋根雪がしっかり積もり“白川郷らしい雪景色”が見られます。降雪直後〜晴れ間が出た日の午前は特に美しいです。
Q2. 荻町城跡展望台へは冬でも行けますか?
A. 冬期は徒歩ルートが閉鎖、シャトルバスも運休になる年があります。必ず事前に観光協会の公式サイトで運行状況を確認してください。行けない場合は「合掌造り民家園」からの広がりある雪景色がおすすめです。
Q3. 靴はスニーカーでも大丈夫?
A. 不可です。路面は凍結し、スニーカーでは滑って危険です。必ず防寒防水ブーツ+滑り止め(簡易アイゼン等)を準備しましょう。観光客の転倒事故は毎年多く発生しています。
Q4. 車で行く場合の注意点は?
A. スタッドレスタイヤ必須。特に橋やトンネル出口は凍結しやすいので減速を。夜間は視界が悪く、雪壁で道路幅が狭くなることもあります。運転に不安があれば、迷わず高速バスやツアーを利用してください。
Q5. 写真撮影に三脚は使えますか?
A. 集落内・展望台ともに三脚使用は禁止。安全確保と混雑防止のためです。夜間のライトアップ時は特に厳格に禁止されています。日中も手持ち撮影が前提。スマホは手ブレ補正ON、連写モードを活用すると安心です。
Q6. 子どもや高齢者も観光できますか?
A. 可能ですが、気温は-10℃近くまで下がる日もあり、雪道移動は体力を消耗します。高齢の方や小さなお子様連れは、バスツアーや集落内の短時間散策コースを選ぶと安心です。
Q7. どんな持ち物があると安心?
A. カイロ、予備バッテリー(寒冷地は消耗が早い)、小型ライト、防水袋。特にスマホやカメラは雪で濡れるので、ジップロックや防水ケースがあると便利です。

毎年“スニーカーで来て転倒”“当日展望台に行けない”という方をよく見ます。雪国の冬は想像以上に厳しいので、防寒・足元・事前確認の3点を必ず押さえてくださいね。
まとめ
雪深い山里にたたずむ白川郷は、冬ならではの魅力がぎゅっと詰まった旅先です。
合掌造り集落の屋根に積もる雪は絵本のような世界をつくり出し、展望台から見下ろす景色はまさに圧巻。
ただし、冬の白川郷はアクセスや観光ルートに制約があり、シャトルバスの運休・徒歩ルート閉鎖といった条件もあります。
訪問前には必ず最新の情報をチェックし、防寒装備と雪道対策をしっかり整えて出かけましょう。
一泊二日で温泉と組み合わせれば、雪見風呂や地元のあったかい料理も楽しめて、体も心もほっと安らぎます。

雪の白川郷は一生の思い出になる景色です。安全と準備を整えれば、寒さ以上に感動が待っていますよ。
【白川郷】周辺の温泉宿に泊まろう
雪景色の白川郷を心ゆくまで楽しむなら、やはり一泊してこそ。
昼と夜、そして翌朝と、時間帯によって移り変わる幻想的な風景を体験できます。
白川郷や周辺の温泉地には、囲炉裏を囲む合掌造りの民宿から、雪見露天を満喫できる宿まで多彩な宿泊先が揃っています。旅のスタイルに合わせて、ぜひお気に入りの宿を見つけてください。
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