青森県・深浦町。
日本海を望むこの町の海岸線に、まるで大地が一枚の畳のように広がる不思議な場所があります。
それが、地殻変動が生み出した絶景【千畳敷海岸】です。
「千畳の畳を敷いたように広い」と伝わるその名の通り、目の前には圧倒的なスケールの岩棚が広がり、 波音だけが響く静かな空間が旅人を包み込みます。
空と海の境界が溶け合う水平線――、ここでは“日本海の果て”を感じることができます。
周辺には「青池」「十二湖」など白神山地の人気スポットも点在しており、【千畳敷海岸】はその観光ルートのちょうど中継地点。
ドライブ途中にふらりと立ち寄れる“絶景休憩地”としても知られています。
「青池」や「不老ふ死温泉」へ向かう途中にあるため、日帰り旅にもぴったり。 夕方の立ち寄りなら、“日本の夕陽百選”に選ばれた感動的な夕景に出会えます。

“水平線の抜け感”が素晴らしい海岸。青池・十二湖のあとに立ち寄ると、日本海の雄大さを一層感じますよ。
この記事では、千畳敷海岸の「見どころ・由来・アクセス・駐車場・所要・服装&安全」まで、初めてでも迷わない実用情報をまとめます。
【千畳敷海岸】はどこ?(場所・基本情報)
- 【千畳敷海岸】は青森県中西部、日本海に面した「深浦町」にあります。
- 国道101号とJR五能線が並走し、駅前がそのまま海岸です。
- 「弘前市」中心部から約50km、車で1時間ちょっとの位置にあります 。
- 青森県の南北でいうとちょうど真ん中あたり、東西でいうと西に位置しています。
なぜ「千畳敷」?(名前の由来)

「千畳敷海岸」という名前、少し不思議ですよね。
“千畳の畳を敷けるほど広い”――そんな壮大なイメージが頭に浮かびます。
実はこの名前には、江戸時代の大地震と津軽藩主にまつわる伝承が残されています。
1792年(寛政4年)頃、当地で大きな地震が発生。
地殻変動によって海底が持ち上がり、波打ち際に広大な平坦地(海岸段丘)が出現しました。
この自然現象が、現在の千畳敷海岸の原型となったのです。

その後、この光景を見た津軽藩の殿様(津軽寧親公とも伝わる)が、「ここに千畳の畳を敷き詰めて宴を開いた」という逸話が残されています。
以来、人々はこの地を「千畳敷」と呼ぶようになりました。
“畳を敷いて宴を開く”という情景からもわかるように、当時の人々にとってこの岩棚は、まるで自然が作った大広間のように見えたのでしょう。
そして今もなお、訪れる人々は同じようにその広さと壮観さに圧倒されます。
千畳敷の岩肌をよく見ると、波と風の侵食によって刻まれた模様や、海水が流れ込んでできた浅い潮だまりなど、長い年月が描いた“地球の絵画”のような姿をしています。
まさに、自然の力と時間の流れを体感できる貴重な地形遺産です。

“千畳敷”という地名は全国にもありますが、海岸に用いられているのは非常に珍しく、地殻変動の証拠が今なお残る貴重な場所です。
見どころ|夕日・奇岩・水平線の抜け感

見どころ①:水平線の抜け感がすごい
千畳敷海岸の魅力は、なんといっても遮るものが一切ない水平線の開放感。
視界の先に広がるのは、日本海と空だけ――。まるで世界の果てに立っているような錯覚を覚えます。
晴れた日には海と空の境界がとけあい、曇りの日でも鉛色の波と雲がつくる“北の日本海”らしい迫力。
波の音だけが響く静けさも、この場所の魅力のひとつです。

見どころ②:夕日が沈む“日本の夕陽百選”
千畳敷海岸は、「日本の夕陽百選」にも選ばれた絶景夕陽スポット。
夕暮れ時、波間に沈みゆく太陽が岩棚を黄金色に染め、刻一刻と変わる空のグラデーションが感動的です。
特に夏から秋にかけては、水平線へとまっすぐ沈む夕日が見られるチャンス。
旅の締めくくりに立ち寄ると、心に残るドラマチックな風景に出会えます。

見どころ③:奇岩と岩棚の自然造形美
地殻変動によって生まれた千畳敷海岸の岩棚は、自然が創り出した芸術作品のよう。
波や風に削られた岩は、亀の甲羅やテーブルのような形をしており、歩くたびに景色が変わります。
潮だまりを覗けば、小魚やカニが見えることも。
“石好き”や“地形マニア”にはたまらないスポットです。
アクセス(車・駐車場・電車)
車で行く
- 国道101号線沿いに現地入口。
- カーナビは「千畳敷海岸」検索でOK。
- 弘前方面からは岩木山を左手に日本海側へ抜けるルートが分かりやすいです。
駐車場
- 国道101号線沿いに無料駐車場あり。
- 大型連休や夕日時間帯は混むため早めの到着がおすすめ。
電車で行く(JR五能線)
- JR五能線「千畳敷駅」 下車すぐ(徒歩1分)。
- ホームを降りれば目の前が海岸という希少なロケーション。
所要時間の目安と回り方(30~60分)
短時間でも満足度が高いのが千畳敷の魅力。
30分なら岩棚を散策+撮影、60分なら夕日の色変化を待ちながらじっくり撮影できます。
| 行程 | 目安 |
|---|---|
| 駐車場(駅)→ 岩棚へ下り散策 | 5~10分 |
| 奇岩・潮だまりを撮影 | 10~20分 |
| 水平線&夕日待ち(推し) | 15~30分 |
撮影ポイント:潮位が低い日は岩の反射面が広がりリフレクションが決まりやすい。風が弱い日も狙い目です。
季節・服装・安全アドバイス
- 靴:濡れた岩は滑りやすい → グリップの良いスニーカー推奨。ヒール・サンダルはNG
- 潮位・波:うねりや高波の日は岩場に近づきすぎない/満潮時は退路の確認を
- 防寒・風対策:海風が強い → 薄手の防風着が便利(夕方は特に)
- 夏:日差し強め。帽子・日焼け止め・飲み物を
よくある質問(Q&A)
Q1:千畳敷海岸はどこにありますか?
A:青森県深浦町に位置し、日本海沿いを走る国道101号線沿いにあります。 青池や十二湖から弘前へ向かう途中に立ち寄れるアクセスの良さも魅力です。
Q2:なぜ「千畳敷」という名前なのですか?
A:1792年の地震による地殻変動で、広い岩棚(海岸段丘)が出現したことが由来です。 その後、津軽藩の殿様が「千畳の畳を敷いて宴を開いた」と伝わり、 この名がついたといわれています。
Q3:見どころは何ですか?
A:まずは遮るものがない水平線の抜け感。 そして、「日本の夕陽百選」に選ばれた夕景は必見です。 夕暮れ時には黄金色に染まる海と岩棚が幻想的な雰囲気をつくります。
Q4:駐車場はありますか?料金は?
A:国道101号線沿いに無料の駐車場があります。 普通車・大型車ともに駐車可能で、観光バスも立ち寄る広さです。
Q5:公共交通でも行けますか?
A:はい。JR五能線「千畳敷駅」で下車すると、 海岸は目の前(徒歩1分)です。 列車の本数は少ないので、時刻表を確認のうえ訪れるのがおすすめです。
Q6:トイレや売店はありますか?
A:駐車場横にトイレと簡易売店があります。 ただし、夕方以降や冬期は営業していない場合もあるため、 事前に飲み物などを準備しておくと安心です。
Q7:ベストシーズンはいつですか?
A:通年観光可能ですが、特におすすめは春〜秋(4〜10月)。 夏は潮風が心地よく、秋は夕日と紅葉のコントラストが美しい季節です。
Q8:写真を撮るならどんな時間帯がベスト?
A:撮影目的なら夕方16:00〜17:00頃がベスト。 太陽が傾き始める時間帯に岩棚が柔らかな光を反射し、 まるで映画のワンシーンのような写真が撮れます。
Q9:潮の満ち引きで景色は変わりますか?
A:はい。干潮時は岩棚が広く現れ、歩きながら奇岩や潮だまりを観察できます。 満潮時は岩肌に波が打ち寄せ、よりダイナミックな景観になります。
Q10:冬でも行けますか?
A:道路は通行可能ですが、冬季は強風と波しぶきが強まるため注意が必要です。 防寒対策をしっかり整え、荒天時は無理をせず安全第一で。
Q11:周辺に宿泊できる場所はありますか?
A:深浦町内には「不老ふ死温泉」や「アオーネ白神十二湖」など、 海を望む温泉宿が点在しています。 夕日を眺めながらの露天風呂は格別です。
Q12:ペット同伴は可能ですか?
A:リード着用であれば散策は可能ですが、岩場が滑りやすいため注意が必要です。 また、真夏は岩が熱くなるので、足元の温度にも配慮してください。
まとめ|千畳敷海岸の魅力をもう一度
日本海の荒波と風がつくり上げた、青森・深浦町の絶景スポット【千畳敷海岸】。
その名の通り「千畳の畳を敷けるほど広い」岩棚は、地殻変動が生んだ自然の芸術です。
遮るもののない水平線の抜け感、黄金色に染まる夕景、個性豊かな奇岩たち。
訪れる時間帯や天候によって、まるで違う表情を見せてくれます。
アクセスも良く、JR五能線「千畳敷駅」から徒歩1分。 ドライブ旅でも立ち寄りやすく、青池・十二湖と組み合わせた観光コースにも最適です。
夕方には日本海に沈む夕日が岩棚を照らし、旅の終わりを彩る一枚の風景に。
自然の壮大さと静けさが共存する、まさに“青森らしい絶景”。
旅の途中に、ぜひ立ち寄ってほしい場所です。
関連記事・内部リンク
- 【青池・十二湖】2時間モデルコース|青く輝く「青池」とブナ原生林を歩く
- 【青池・十二湖】駐車場・アクセス・トイレ徹底ガイド|車で行く前に知るべきこと
- 【奥入瀬渓流】半日(4時間)モデルコース|子ノ口から下りで名所めぐり、帰りはJRバスでラクに戻る
- 【奥入瀬渓流】「駐車場」3つを徹底比較|子ノ口・石ヶ戸・焼山の違いとおすすめポイント
免責事項:掲載内容は変動する場合があります。実際に訪れる際は、道路・交通・天気・施設の最新情報をご確認ください。当サイト情報に基づく不利益には責任を負いかねます。


