伊勢神宮を語るとき、内宮ばかりが注目されがちですが、実は参拝の正式な順序は外宮から内宮へ。
外宮(豊受大神宮)は、衣食住と産業の守護神である豊受大御神をお祀りし、内宮の天照大御神へ供える食事「御饌」を司る、極めて重要なお宮です。
境内には正宮をはじめ、多賀宮・土宮・風宮といった別宮が点在し、参道には巨木や石碑、遷宮の歴史を伝える「せんぐう館」など、じっくり歩きたい見どころが豊富。
さらに、JR・近鉄「伊勢市駅」から徒歩5分というアクセスの良さも魅力。
伊勢旅のスタート地点としてふさわしく、1時間前後で気軽に参拝できる静謐な空間です。
歴史と背景

伊勢神宮・外宮は、豊受大御神(とようけのおおみかみ)をお祀りするお宮です。
豊受大御神は、衣食住や産業の守護神であり、内宮の天照大御神に供える食事「御饌(みけ)」を司る存在。
外宮は、内宮を支える「食と産業の神宮」として極めて重要な役割を担っています。
その歴史は古く、5世紀に雄略天皇の勅命によって丹波国から豊受大御神をお迎えし、現在の地に鎮座したと伝えられています。
以来、内宮とともに日本の精神文化を支える中心地として厚く信仰されてきました。
外宮では20年に一度、社殿を建て替える式年遷宮が内宮と同様に行われます。
社殿や御装束・神宝を一新することで神様の若々しい力を保ち、永遠に続く神明のまつりを体現しています。
境内には正宮のほか、豊受大御神の荒御魂を祀る多賀宮、土地を守護する土宮、風雨を司る風宮の三別宮があり、それぞれに独自の信仰が息づいています。
内宮と外宮を合わせて参拝するのが正式な順序とされるのは、こうした深い関係性に由来します。
見どころと観光時間目安(所要目安:60〜90分)

- 全体を回るなら60〜90分程度が目安。
- 正宮を中心に別宮を巡り、時間があればせんぐう館を加えると、外宮の魅力を余すことなく体感できます。
- 内宮と合わせれば半日以上を要するため、計画的な参拝がおすすめです。
正宮 豊受大神宮

外宮の中心であり、豊受大御神をお祀りする場所。玉砂利と檜の香りに包まれる参道は厳かで清浄。まずはここで日頃の感謝を伝えましょう。
別宮 多賀宮(たかのみや)〔外宮第一の別宮〕

豊受大御神の荒御魂をお祀りする社。石段を上った高台にあり、力強さを感じられる特別な空気が漂います。
別宮 土宮(つちのみや)

大土乃御祖神をお祀りし、土地を守護する社。外宮の別宮では唯一東向きという珍しい社殿の配置が特徴です。
別宮 風宮(かぜのみや)

級長津彦命・級長戸辺命をお祀り。風雨を鎮める神で、内宮の風日祈宮と同じ御祭神。農作や暮らしを支える風の神として信仰を集めています。
その他の見どころ
樹齢数百年の大樹清盛楠、力を宿すとされる三ツ石、境界を示す四至神、式年遷宮の跡地古殿地、神馬をつなぐ御厩などが点在。
時間があればせんぐう館で式年遷宮や社殿建築を学ぶのもおすすめです。
参拝時間(開門時間)
外宮の参拝は季節ごとに開門・閉門時間が異なります。早朝の澄んだ空気の中を歩くのもおすすめです。
| 期間 | 参拝時間 |
|---|---|
| 1月〜4月・9月 | 5:00〜18:00 |
| 5月〜8月 | 5:00〜19:00 |
| 10月〜12月 | 5:00〜17:00 |
閉門時間は月ごとに異なるため、夕方の参拝を計画する際は要注意です。なお、神嘗祭や正月期間など、特別な日には参拝時間が延長される場合もあります。
アクセス、駐車場・駐車料金
アクセス
- 所在地
三重県伊勢市豊川町279 - 電車でのアクセス
JR・近鉄「伊勢市駅」から徒歩約5分、近鉄「宇治山田駅」から徒歩約7分。
公共交通を利用すれば、駅を降りてすぐ参拝できる利便性が魅力です。 - バスでのアクセス
三重交通バス「外宮前」下車すぐ。伊勢市駅や宇治山田駅から運行があり、外宮と内宮を結ぶ路線バスも便利です。 - 車でのアクセス
伊勢自動車道「伊勢西IC」から約10分。外宮参拝後に内宮へ回る場合も、車ならスムーズに移動できます。
外宮(豊受大神宮)は伊勢市中心部にあり、公共交通でも車でもアクセスしやすい立地です。
参拝は外宮から内宮へ向かうのが正式な順序とされています。伊勢旅のスタート地点として、まずは外宮に立ち寄るのがおすすめです。
駐車場・駐車料金
- 【名称】外宮前駐車場(伊勢市営)※第1~第3まであり
- 【台数】普通車 第1 50台、第2 210台、第3 60台
- 【料金】2時間まで無料
- 【トイレ】有
- 【徒歩】駐車場から「正宮」までは徒歩約5分程度
混雑時は周辺にある「市営北御門駐車場」や「伊勢市駅前のコインパーキング」も候補に。
混雑期は駐車場の空きがすぐになくなる場合があります。
「らくらく伊勢もうで」公式サイトで駐車場のリアルタイム空き情報で確認できます。
観光のポイント・注意点
参拝マナー
・正宮内側は撮影禁止。玉垣の外から静かに参拝を。
・参道の中央は神様の通り道とされるため、端を歩くのが作法。
・参拝は「二拝二拍手一拝」の作法を守る。
混雑対策
・土日祝や連休は午前10時〜午後2時が最も混雑。
・朝早め(5:00〜8:00)の参拝が快適。
・駅から徒歩圏のため、公共交通利用がおすすめ。
装備・服装
・参道は玉砂利や段差があるため、歩きやすい靴で。
・夏は炎天下、冬は冷え込みが厳しいため、季節に応じた服装対策を。
・雨天時は傘よりもレインコートが歩きやすい。
参拝時間の工夫
・夕方は閉門時間が季節で異なるため、事前に確認を。
・夜間入庫の駐車場割引を活用すれば、夕刻の参拝も可能。
よくある質問(FAQ)
Q1. 外宮の参拝時間は?
A. 季節ごとに異なり、5:00開門で閉門は17:00〜19:00。1月〜4月・9月は18:00、5月〜8月は19:00、10月〜12月は17:00までです。
Q2. 滞在時間はどのくらい?
A. 正宮と別宮を巡り、参道を散策する場合は60〜90分程度が目安です。せんぐう館を見学するなら+30分ほど余裕を見ましょう。
Q3. 外宮と内宮、どちらを先に参拝する?
A. 古来からの慣習として、外宮→内宮の順で参拝するのが正式とされています。
Q4. 外宮から内宮へはどう移動する?
A. 車なら約10分、バスは三重交通の「外宮前」〜「内宮前」路線を利用できます。公共交通でもアクセスしやすいです。
Q5. 食事や土産は近くで買える?
A. 外宮周辺にも飲食店や土産店がありますが、伊勢グルメや土産選びを楽しむなら内宮参道「おはらい町・おかげ横丁」がおすすめです。
まとめ
伊勢神宮・外宮は、衣食住の守り神・豊受大御神を祀る聖地であり、内宮と並ぶ伊勢参拝の重要な拠点です。
正宮・別宮・史跡をめぐり、清浄な森を歩けば、心身が整う感覚を味わえます。参拝の所要時間は約1時間半、外宮から内宮へと続ければ、伊勢旅の流れを自然に楽しめるでしょう。
アクセスは駅近で便利ですが、休日は駐車場が混雑するため事前確認を。朝の澄んだ空気の中での参拝は格別です。
「まずは外宮から」――この順序を守ることで、伊勢参りはより深い意味を持ちます。伊勢神宮を訪れる際は、ぜひ外宮から旅を始めてみてください。関連記事・内部リンク
- 伊勢神宮モデルコース|外宮→内宮→おかげ横丁→猿田彦神社をめぐる5時間観光プラン
- 伊勢神宮【内宮(皇大神宮)】完全ガイド|見どころ・参拝時間・アクセス・駐車場
- 伊勢神宮【おはらい町・おかげ横丁】完全ガイド|見どころ・グルメ・アクセス・駐車場
- 【猿田彦神社】の見どころ・参拝時間・アクセス|方位石や佐瑠女神社、駐車場情報も解説
- 伊勢【夫婦岩】|二見興玉神社の歴史と見どころ・日の出、アクセス・駐車場
- 伊勢神宮・志摩をめぐる2泊3日|50代におすすめの車旅モデルコース
- 2025年【伊勢神宮・内宮】紅葉の見頃はいつ?12/4~12/11が中心|混雑回避・ベスト時間・服装・アクセス
- 【伊勢神宮】の紅葉と志摩・横山展望台|12月上旬が見頃の大人旅2泊3日モデルコース|混雑回避・撮影ポイント
免責事項:掲載内容は変動する場合があります。実際に訪れる際は、道路・交通・天気・施設の最新情報をご確認ください。当サイト情報に基づく不利益には責任を負いかねます。


